相続税の申告前に災害にあった場合
相続税の申告義務がある場合において、申告期限の前に自然災害の被害にあったときは、減免措置の適用を受けることができます。
相続税に係る財産評価の原則は、相続開始時(お亡くなりになった時)の評価をするのですが、その相続開始の後に被災された場合における特別措置が設けられているわけです。
今回は「災害減免措置」についてお伝えいたします。
適用要件と減免措置の内容
適用要件:
相続税の課税価格の計算の基礎となった不動産や動産※1の価額のうちに、当該不動産や動産について被害を受けた部分の価額の占める割合が10分の1以上であること。
※1 動産には、金銭及び有価証券は含まれません。
例えば、不動産や動産の価額が1億円の場合において、被害額が1千万以上であることが要件となります。
不動産や動産の価額が1億円※2で、被害額が1千万円という例の場合には、差引9千万円を相続税の課税価格に算入する価額とすることができます。
※2 土地について小規模宅地等の特例の適用を受けている場合は、適用後の価額となります。
被害を受けた部分の価額の計算方法
〔 被害を受けた相続財産等の価額 〕 × 〔 被害割合 〕 = 〔 被害を受けた部分の価額 〕
被害を受けた部分の価額は、この算式により計算します。
〔被害割合〕については、国税庁が被害割合表※3というものに、建物と家庭用財産についての割合を定めています。建物の被害割合を一部抜粋すると次のとおりです。
保険金等による補填がある場合には調整計算があるのですが今回は割愛します。
| 全壊・流失・埋没・倒壊 | 100% |
| 半壊 | 50% |
| 一部破損 | 5% |
| 浸水(二階建/床上0.5m~1m/土砂等あり) | 45% |
| 浸水(床下/土砂・海水なし) | 0% |
※3 被害額等が明らかな場合はこの被害割合表によらず、別の計算方法があります。
土地の被害額はどうやって計算するか
それでは、被害割合表に定められていない土地については被害額をどうやって計算するのでしょうか。
結論を申し上げますと、次の金額を被害を受けた部分の価額とします。
「 原状回復費用の見積額※4の80%相当額 」
※4 保険金、損害賠償金等により補填された金額を除きます。
災害により、地割れ・亀裂・陥没・隆起・海没等の土地そのもの形状が変わったことに伴う損失※5を受けた場合には、その土地を元に戻すための費用の見積りを工事業者等にお願いして算出してもらい、その金額の80%を土地の評価額から控除することになります。
※5 土地そのものの形状が変わらない、塩害・がれきの堆積等は災害減免法の対象とはなりません。
まとめ
今回は災害減免法に基づく減免措置についてお伝えいたしました。
万が一の場合ですが、ご参考になりましたら幸いです。
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税理士 加藤義隆
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