非上場株式の評価方法の見直し

令和8年4月20日から国税庁で「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議」が開催されています。
取引相場のない株式 ≒ 非上場株式 ですので、以下非上場株式といいます。
非上場株式について相続・贈与があった場合に、その株式について評価をする必要がありますが、上場株式のように取引相場があるわけではないので、相続税法(正確には、財産評価基本通達)に定められた評価方法に基づき評価をすることになります。
今回その評価方法の見直しを検討しているわけです。
令和8年8月20日に第5回の会議資料が公表されたので、評価方法がどのように変わる可能性があるかをお伝えしたいと思います。

残余利益方式

現在の評価方法はかなり複雑なものですが、次のような簡素な評価方法への改正を検討しているようです。
【 残余利益方式(簿価純資産ベース)】
 ① 簿価純資産
 ② 数年分の企業の超過収益(マイナスの場合を含む)
 ③ ① ± ② = 株式評価額
株価の計算に必要な資料は、次のもののみ。
 ① 直前期末の貸借対照表
 ② 過去数年分の損益計算書・資本変動計算書

出典:国税庁 取引相場のない株式の評価に関する有識者会議(第5回)資料

残余利益方式の詳細は?

① 簿価純資産
  ▪時価への洗替えは不要(帳簿の簿価純資産をそのまま使用)
② 数年分の企業の超過収益
  ▪数年分は5年分を検討か
  ▪企業の超過収益とは、企業が通常期待される利益を上回る金額(=残余利益)の数年   
   分の現在価値の合計
  ▪企業が通常期待される利益は、上場株式の平均期待収益率等を参考に、資本資産価格
   モデルにより算定か
  ▪残余利益がある場合は、①簿価純資産に加算する。
  ▪赤字または低収益の企業で、企業が通常期待される利益を下回る金額が算出される場
   合は、①簿価純資産から減額する。

まとめ

現在の評価方法のひとつに、非上場株式を清算価値で評価する(時価)純資産価額方式があります。清算価値とは、仮に評価時点でその企業が解散し清算(所有する不動産や株式は売却してお金に換える)した場合の価値です。
そもそも企業は継続していくことが前提としてあるので、清算価値での評価がそぐわないのではというのが今回の見直しのきっかけのひとつとしてあります。
今回お伝えした残余利益方式が、そのまま新たな評価方法となるかは未定ですが、いずれにせよ非上場株式の評価方法が改正されることはほぼ確定かと思います。
また続報をお伝えできればと思います。
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                          税理士 加藤義隆

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